倒れ付すとも。

自分が満足して死ねればそれでいいのです。

元カノにプレゼントしてしまったので金を貰って抱き締められた日の話


 久々に波乱の日だ。昨日から瀉血とアムカとブロンキメて寝ていないし、ぼんやりしたまま生きてたけど凄いことになったなぁと思っている。

ごたごたした文房具やさん。シンプルで洗練された化粧品の陳列。本屋さん。絶対彼女と一緒に行きたいって思っていた場所を訪れる度、ちまちまとしたものが増えて増えて、結局誕生日プレゼントにまとめて送り付けた。郵便事故よ起これと念じていた。だってあんまりだ。私のことを思い出させるわけであり、自己満足の塊である。そして今朝、気がついたらLINEが来ていた。永らく嘲笑で終わっていたトークルームには、彼女からの感謝が綴られていた。

受け取り拒絶じゃないだけ良かったなって思った。向こうはだいぶ困惑していたけど、なんだかんだ嬉しかったって受け取って貰えて私は幸せだった。ありがとう、それだけで良かった。貴方はきっとその口紅が似合う素敵なひとになったんだ。貴方は私の光だ、永遠に。

 

しかし。私は誕生日プレゼントを送り付けたことを後悔した時点で、自分を殺すことに決めていた。自殺ではない。いい加減、なにもかも手放して落ちるとこまでいこうと決めていた。
同日、某繁華街。私はピチピチのちゃちな制服を着て写真を撮ってもらった。
何時間も待機して初めて選んでくれた初老男性にお札を胸にねじ込まれて違う名前で呼ばれながら抱き締められた時、私はこっそり涙を零した。店長は泣くほど酷いことされたのって焦っていた。なんでもないです、眠かったんです。だけど私は2畳弱の狭い部屋で、人間の温かさでだいぶ満たされた。罰のはずだった。でもそれでよかった。

今から帰路に着く。駅のホームに立つと、なんだかすごく惨めで。これからどうやって生きていくかは分からない。いつかはバレて家を追い出されるんだろうな。だけど、私はこうやって短い人生とたった1人に捧げた青い春を切り売りしてお金を稼いで、学びたいことを学ぼうと思った。学費と、独り立ちの費用。私はひとりで生きて行きたい。思い出と共に死にゆく為に、作り続けた先の萩の原で倒れ伏す為に、ひとりの時間が欲しい。だから普段のアルバイトも、これも、頑張る。金が要る。頑張るだけだ。