無題
昨日、恋を諦めた。
ポエム臭くて、きっと何年後かにこれを読んだら私は悶絶して全てのデータを消すと思う。その時はどうか自分の事ではなく誰かの独り言だと思って最後まで読んで欲しい。
高校1年生の、一応必死な決断だった。
ずっと好きだった。2年前からずっと。告白されてから気づいた。無意識のうちに両想いだったのに自覚するのに何ヶ月使ってしまっただろうか。ネット上で恋愛をする事も、生物学的には同性である人に恋をする事も、ここまで人に劇的に救われたのも初めてだった。
自分の事を全力で肯定してくれる人だった。
いつも私が悩んで死を思う時に優しく頭を撫でてくれるような言葉を掛けてくれた。
度々私は、こんな私を見ているのは辛くないのか、嫌ではないのかと聞いた。その人は自分も同じ道を通ってきたのだ、次は自分が救う番なのだと、液晶越しに文字で微笑んでくれた。
好きな曲を教えあった。知ってから何百と聴いた。
電話番号を交換して何度か電話をした。照れくさくてあんまり喋らなかった。かさんだ携帯代を見て笑った。
それからずっと、死を思う度にその人が浮かんで、踏み切ることも踏み台を蹴飛ばすことも力を込めることもなかった。優しい言葉を聞きながら泣いて泣いて止血をした。
最後まで優しかった。突き放し方さえも優しい人だった。
彼女は言った。あなたは1番の友人のようなものだ。もう今は、友人として見ている方が強い、と
振られたんだと思った。
まだ好きでいていいかと聞いた。彼女は自分がおおごとにしたんだ、いいよと言った。
それからずっと諦めきれずにバカみたいにその人を追って1年になろうとしていた。
もうやめにしようと思った。
勝手に好きになって。勝手にまだ好きで。その人はもう友人としてしか見ていないのに。無邪気な言葉に勝手に傷ついて、勝手に焦がれてひっそり泣いて、迷惑もこれまでにしようと思った。
受け流すんだ。何度好きだと言われてもそれは友人としてだ。何度可愛いと言われてもそれは友人間のジョークだ。
私は諦めるのだ。
ツイートの通知を切った。
DMの画面を開いて、ごめん、とだけ打って、続く言葉が見つからなくて、消した。
ごめん、今までずっと好きだった。今日できっちり諦める事にするから、これからも友人として仲良く出来たらいいなと思います。
送れる訳無かった。あなたは優しいから。優しいからきっと好きでいていいと言う。そして何も悪くないのにごめん、と言うだろう、そして申し訳なさそうに優しく笑うんだろう。
もう優しさは胸に来るよ。
諦めた日、話の流れで自然にハッキリと、その人は私の事を友人だと言った。
最終回答。
私は昨日、この想いを捨てることにした。
だからこの夜を最後に。おやすみ、の後ろにふざけて、ふざけたふりをして、
愛してる、と付けた。
表向きにはキャラクターのセリフを借りたことにして、最後の本心を。
馬鹿みたいな恋は終わりだ。
もう二度と彼女の声を聞くこともないだろう。いつかこの関係も、友人ですらなくなるだろう。でも忘れない。救ってくれてありがとう。今日まで許してくれてありがとう。
諦めるよ。